【2025年版】ライブコマースプラットフォーム比較11選|もう迷わない!SNS型・SaaS型の最適解
2025-08-12 21:59:16
目次
「ECサイトの売上が頭打ちだ…」
「広告費は上がる一方なのに、新規顧客が増えない…」
「お客様との関係が、ただの売買で終わってしまっている…」
そんな悩みを抱えるEC担当者やマーケターのあなたへ。今、この状況を打破する**「ECの新たな標準(ニューノーマル)」**として、ライブコマースが急速に普及しています。
ライブコマースは、単に商品をライブ動画で紹介するだけではありません。視聴者とリアルタイムで会話し、質問に答え、時には一緒に商品を体験することで、「買う」という行為そのものを忘れられないエンターテイメントに変える力を持っています。
この記事では、2025年の最新情報に基づき、数あるライブコマースプラットフォームを**「SNS型」と「SaaS型」の2大潮流に分け、それぞれの特徴、手数料、機能を徹底的に比較・解説します。国内外の成功事例も交えながら、あなたのビジネスに最適な「武器」**を見つけるお手伝いをします。
1. ライブコマースの2大潮流:「SNS型」と「SaaS型」どちらを選ぶべき?
ライブコマースを始めるにあたり、まず理解すべきなのがこの2つのアプローチの違いです。どちらが良い・悪いではなく、あなたの目的によって最適解は変わります。
SNS型プラットフォーム:巨大な広場で新しいお客様と出会う
巨大なユーザー基盤を持つSNS(TikTok, Instagram, YouTubeなど)上でライブコマースを行うタイプです。例えるなら、巨大ショッピングモールのイベント広場で、多くの通行人に商品をアピールするイメージです。
- メリット:
- 圧倒的な集客力: プラットフォームが持つ数千万〜数十億人のユーザーにアプローチできる可能性があります。
- 低い初期費用: 月額無料で始められる場合が多く、スモールスタートに最適です。
- 高い拡散力: 「いいね」や「シェア」機能で、情報がバイラルに広がりやすいのが魅力です。
- 考慮すべき点:
- カスタマイズ性の限界: ブランドの世界観を100%表現するのは難しい場合があります。
- プラットフォームへの依存: 手数料の変更やアルゴリズムの変動にビジネスが左右される可能性があります。
- 顧客データが限定的: 取得できる顧客データが限られ、自社の資産として活用しにくい側面も。
SaaS型プラットフォーム:こだわりの本店で、ファンをおもてなし
自社のECサイトにライブコマース機能を「埋め込む」形で利用するソフトウェアサービスです。こちらは、路面店に構えたこだわりの自社本店で、大切なお客様一人ひとりをおもてなしするイメージです。
- メリット:
- ブランド体験の最大化: デザインや機能を自社ブランドに合わせて自由に構築できます。
- シームレスな購入体験: 顧客はサイトを離れることなく、視聴から購入までを完結できます。
- 詳細なデータ分析: 視聴・購買データを詳細に分析し、マーケティング施策に活かせます。
- 既存システムとの連携: 在庫管理やCRMなど、既存のシステムとスムーズに連携可能です。
- 考慮すべき点:
- 初期・月額費用: 一般的に、月額の利用料や初期設定費用が発生します。
- 自力での集客: ライブ配信への集客は、自社のメルマガやSNS告知などで自分たちで行う必要があります。
2. 【SNS型】主要プラットフォーム徹底比較|集客力と手軽さが魅力
まずは、多くのユーザーが日常的に利用しているSNSプラットフォームから見ていきましょう。
2-1. TikTok Shop:今、最も勢いのある「売れる」エンタメマシン
強力なレコメンドエンジンを武器に、エンタメとコマースを最強の形で融合させたのが「TikTok Shop」です。ショート動画で「面白い!」「欲しい!」という熱狂を生み出し、その勢いのままライブ配信とショッピングに繋げる流れは、他の追随を許しません。
- 手数料: カテゴリー別の販売手数料が発生します。シンプルで分かりやすい料金体系です。
- 長所:
- 最強のディスカバリー機能: フォロワー以外にもコンテンツが爆発的に届きやすく、一夜にしてヒット商品が生まれる可能性があります。
- 衝動買いを誘う設計: 「面白い」「真似したい」という感情がダイレクトに購買につながるよう、アプリ全体が設計されています。
- 若年層への圧倒的リーチ: これまでアプローチが難しかった10代〜30代の新しい顧客層を獲得する上で、これ以上ないプラットフォームです。
- こんな企業におすすめ: トレンドをいち早く売上に変えたいD2Cブランド、新しい顧客層を爆発的に開拓したい企業、アパレル、コスメ、雑貨、食品などあらゆる商材。
2-2. Instagram:ビジュアルとコミュニティでファンを育む

ビジュアル重視のブランディングで絶大な人気を誇るInstagram。フィード、ストーリーズ、リール、ライブの全てにショッピング機能を連携させ、「素敵だな」という瞬間を逃さず購入に繋げます。
- 手数料: Meta社のコマースポリシーに基づき、販売手数料や決済手数料が発生します。
- 長所:
- 世界観の表現力: 写真や動画を通じてブランドの世界観を丁寧に作り込み、ファンを醸成することに長けています。
- 既存フォロワーとの関係構築: すでにブランドに好意的なファンに向けた配信は、高いエンゲージメントとCVRが期待できます。
- こんな企業におすすめ: アパレル、コスメ、アクセサリー、インテリアなど、ビジュアルやブランドストーリーを重視する商材。
2-3. YouTube:信頼と専門性で高価格帯も狙える
世界最大の動画プラットフォームであるYouTubeも、「YouTubeショッピング」を通じてライブコマースに本格参入。長尺動画でじっくりと魅力を伝えるスタイルは、高価格帯の商品や専門的な解説が必要な商材と相性抜群です。
- 手数料: YouTube自体は手数料を課していません。Shopifyなど連携するECプラットフォーム側の手数料が発生します。
- 長所:
- コンテンツの資産化: ライブ動画はアーカイブとして残り続け、検索を通じて継続的に見込み顧客にアプローチできます。
- 深い商品理解の促進: 時間をかけて機能や開発背景を伝えることで、視聴者の納得感を高め、高価格帯の商材でも購買に繋がりやすくなります。
- こんな企業におすすめ: 専門的な解説が必要なガジェットやソフトウェア、使い方を実演できる化粧品や調理器具、こだわりを伝えたい高価格帯の商材。
3. 【SaaS型】国内外の有力プラットフォーム徹底比較|ブランド体験を最大化
次に、自社ECサイトに埋め込むSaaS型です。ブランドの世界観を重視し、顧客データを資産として活用したい企業に適しています。
3-1.【国内】HandsUP:ライブのプロが隣に座る安心感
国内最大級のライブ配信アプリ「17LIVE」が運営。配信のプロによる企画・撮影・分析といった手厚い伴走サポートが最大の特徴です。「ライブコマースを始めたいが、社内にノウハウがない」という企業に最適です。
- 料金: 月額費用+初期費用(詳細は要問い合わせ)。
- 強み: 17LIVEが培った配信ノウハウを基にしたコンサルティング、エンゲージメントを高める豊富な機能(クイズ、抽選など)。
3-2.【国内】Live kit:大企業も安心の"鉄壁"サーバー
旧日本ユニシスのBIPROGY社が提供。金融機関のシステムを手掛けてきた同社ならではの、高い安定性とセキュリティが魅力。大規模ECサイトや、将来的に基幹システムとの連携を視野に入れている企業に向いています。
- 料金: 月額10万円〜(スタンダードプラン)。
- 強み: 大量アクセスに耐える安定性、高度な分析機能、エンタープライズ向けの拡張性。
3-3.【海外】Bambuser:オンラインで実現する、一流の"おもてなし"接客
スウェーデン発、世界のラグジュアリーブランドから絶大な信頼を得るプラットフォーム。特に、店舗スタッフがオンラインで1対1のビデオ接客を行う**「One-to-One」機能**は、顧客単価と満足度を劇的に向上させます。
- 料金: Shopifyアプリは月額$199から。
- 強み: 多くの導入企業が報告する高いCVR実績、店舗スタッフの専門知識をオンラインで活用、CRM連携による顧客体験向上。
3-4.【海外】Firework:ECサイトを"眠らないメディア"に変える
「ショッパブルビデオ」という新しい概念を提唱する米国発のプラットフォーム。ライブ配信だけでなく、サイトのあらゆる場所に短い動画を埋め込み、ECサイトそのものを動画リッチなメディアへと進化させます。
- 料金: 無料プランから始められます。有料プランも月額$39〜と手頃な価格設定です。
- 強み: サイト回遊率と滞在時間の向上、ライブ動画の二次活用によるコンテンツの資産化。
4. 目的別!ライブコマースプラットフォーム比較マトリクス
ここまで紹介した主要プラットフォームを一覧表にまとめました。自社の目的と照らし合わせ、最適なツール選びの参考にしてください。
プラットフォーム | 種別 | 初期費用 | 月額費用 | 販売手数料 | カスタマイズ性 | データ分析 | こんな企業におすすめ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
TikTok Shop | SNS型 | 無料 | 無料 | あり | 低 | 基本的 | トレンド商材、若年層向け、爆発的な新規顧客開拓 |
SNS型 | 無料 | 無料 | あり | 低 | 基本的 | アパレル・コスメ、世界観重視、既存ファンとの関係構築 | |
YouTube | SNS型 | 無料 | 無料 | なし (連携ストア側に依存) | 低 | 高 (YouTube Studio) | 専門商材、高価格帯、コンテンツ資産化 |
HandsUP | SaaS型 | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ | 中〜高 | 高 | 初めての導入、企画から任せたい、大手企業 |
Live kit | SaaS型 | 要問合せ | 10万円〜 | なし | 高 | 高 | 大規模EC、セキュリティ重視、システム連携 |
Bambuser | SaaS型 | $0〜 | $199〜 | なし | 高 | 高 | アパレル・宝飾品、高単価商材、One-to-One接客 |
Firework | SaaS型 | $0〜 | $0〜 | なし | 高 | 高 | サイト回遊率UP、動画の二次活用、スモールスタート |
5. 【事例から学ぶ】ライブコマース成功の法則
ツールの機能だけでなく、成功企業が「どのように」ライブコマースを活用しているかを知ることも重要です。
- 国内事例:UNIQLO LIVE STATION
全国の店舗スタッフが自身の言葉で語ることで、視聴者に親近感と信頼感を与え、UNIQLOブランドのファン化を促進しています。 - 海外事例:Pai Skincare × Bambuser
敏感肌に悩む顧客に対し、専門知識を持つスタッフがOne-to-Oneのビデオ相談を実施。個別の悩みに寄り添う丁寧な接客が、**CVR17%**という驚異的な成果を達成しました。 - 中国の動向:「店播(テンポ)」という新潮流
ライブコマース先進国の中国では、今やブランド自身が店舗(店播)や工場(廠播)から直接配信するスタイルが主流です。これは、一過性の売上だけでなく、**長期的な顧客との関係構築(LTV向上)**を重視する動きであり、日本の事業者にとっても大きなヒントとなります。
6. まとめ:自社に最適なプラットフォームを選ぶための3つのステップ
最後に、自社に最適なプラットフォームを選ぶための思考プロセスを3つのステップで整理します。
- Step1: 目的を明確にする
- 新規顧客の獲得が最優先か? → TikTok ShopやInstagramなど、発見機能に優れたSNS型が有力候補。
- 既存顧客のLTV向上が目的か? → ブランド体験を高められるSaaS型が適しています。
- Step2: 予算とリソースを確認する
- 初期投資を抑えたいか? → 販売手数料モデルのSNS型から始めるのが合理的です。
- 計画的に投資したいか? → 安定した月額費用でリターンを狙うSaaS型を検討しましょう。
- Step3: ブランドと顧客との相性を考える
- あなたの顧客はどこにいますか? 顧客がいる場所でビジネスを展開するのが基本です。
- あなたのブランド価値が最も伝わるのはどこですか? ビジュアル重視ならInstagram、専門性ならYouTube、トレンド感と爆発力ならTikTok、といった相性があります。
最終的には、「習うより慣れよ」です。幸いなことに、無料で始められるSNS型プラットフォームやSaaSプランがあります。まずは低リスクで第一歩を踏み出し、自社の商品や顧客とライブコマースの相性を肌で感じてみることが、成功への一番の近道かもしれません。